最近注目の外貨投資、データからもその人気の様子が伺えます。でもちょっと待って!魅力的な金利もよく見ると・・・。外貨投資には中長期的な計画をもって臨みましょう。
昨今、外国債券に投資する投資信託の中でも、定期的(1ヵ月毎など)に配当を出してくれる投資信託の残高がどんどん増えているとか。また、外貨預金・年利15%(特別に1ヵ月だけ)と言った魅力的?に見える外貨投資を金融機関に勧められる機会も増えてきていますね。
でもこのコラムを読まれている、賢い投資を心がけている皆さんは、きっと慎重に検討されることでしょう。一見魅力的に思えるものが、必ずしもお得とは限らないのが投資の世界であるということを良くご存知ですね。今日はそんなあなたのために、普段なかなか確認できない外貨投資の参考になる知識、情報をご紹介いたします。
■ 最近の日本人は、外貨投資に積極的?
| 家計の保有する外貨建投資資産残高(ストック)の推移 (単位 億円) | ||||||||||||||||||||||||
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| 日本銀行 資金循環統計より |
資金循環勘定(注1)の定義では、個人投資家の人気が高い毎月分配型ファンドなど外貨投資信託の一部が「対外証券投資(注2)」の範疇(はんちゅう)に入らないとのことですので、更に実質的な外貨投資は進んでいると言えるのかもしれません。上記表から、日本の家計でもここ数年、着実に外貨投資が根付いてきていることは読み取れそうです。
とはいえ、全体の金融資産が 約1,400兆円前後と言われることからすれば、そう多くない割合です。島国ゆえに、日本人の持つ資産が、まだまだ円資産に偏っている現状をあらわしていると言えそうです。
■外貨投資の基本金利差の動向を見る
主要各国の政策金利(2005年9月末現在)を確認しましょう。
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わが国、日本はと言いますと、2001年3月19日よりゼロ金利、その後実質マイナス金利の状況です。株価の上昇、景気の底入れ気配などから、来年の春頃にはマイナス金利状況を少し上向きに転換させたい、と言う発言が日銀幹部よりでているようです。10月に入って、債券市場では長期金利が上がり気味となってきています。
このような中、現状金利だけを見た場合その差は歴然としています。この差は複利での利息のつき方までを考慮すれば、更に魅力的に見えてきます。
しかし各国の政策金利は、中央銀行により刻々と変えられており、経済状況・インフレ動向などにより定期的に見直しが行われています。最近では9月20日に、米国がFFレートを更に0.25%上げました。ハリケーンの影響などが出るのではと言われる中、インフレ抑制のためにも、継続して利上げを行いました(その後、更にドル高円安が進んでいます)。
さらに、当面米国政策金利は上げられるのではないか、という見解が多いように思います。現在の円安ドル高状況は、ほとんどの専門家が予想を外しています。
外貨建投資では今後も日本円と比較し、強くなる通貨への投資ができれば、為替益を享受できることにもなります。しかし、いずれ日本円へと転換して使おうとするお金であれば、為替のリスクを考慮することは重要です。現状を見ると、わが国の史上最悪と言われる国家財政赤字の改善状況や経済の復活、各国の財政赤字・国際収支・経済的摩擦・紛争・資源需要の増加など様々な影響があり、判断は決して容易ではありません。
ご家庭の毎年の収支から出せる貯蓄状況を予測し、現在の資産配分などを考慮することが必要です。短期的な投資タイミングを計ることよりも、余裕資金の一部で10年程度以上の投資期間を保てる資金で、外貨建て投資を計画的に行いましょう。そうすれば、予想外の円資産の目減りにも対応でき、結果的に高金利をうまく活かした「資産保全」が可能となることでしょう。「短期的な特別金利」に惹かれての外貨投資はあまりオススメできません。
どんな商品も、メリットもデメリットもしっかり確認することが大切です。さらにライフプランニングを一緒に考えてくれる信頼できる相談相手がいると、より心強いかもしれません。
さらに、課税に関して付け加えると、外貨預金の為替益は雑所得となる点が注意点です。一般のサラリーマンで給与所得以外の所得が為替益を含めて20万円までの方は申告不要となりますので、うまく使えるといいかも知れません。所得の高い方は、課税による運用益の目減りも考慮が必要となります。
外貨投資をする前のご参考にして頂ければ幸いです。
注1 資金循環勘定:企業,家計,政府といった経済主体(部門)間の資金の流れとその間の債権・債務関係を金融商品(取引項目)別に記録した統計で,一国の金融活動を包括的に示している。
注2 対外証券投資:配当や利子の入手を目的として外国証券を取得すること。
CFP(R)・社労士 そまき としお

